随分前だが、大人の生徒が
「せっかく練習して弾けるようになっても、弾かなくなると弾けなくなるから悲しいし、頑張った形が残らないのも悲しい」と言っていた。
生徒の気持ちは、ごもっともだが内心「一生懸命弾いている時間そのものが、成果であり作品なのですよ」と思っていた。
美術品と違って、音楽は目に見える形がないので、『一過性の時間芸術』と言われる。
昔は、記録を残そうとしても録音がせいぜいで、誰が演奏したか証明できなかったが、最近では特別な時はホームビデオで撮影して残すことができるし、スマホやタブレットなどでの動画撮影が日常になっている。練習した曲が仕上がった時には、動画撮影をしてレパートリーの記録を残すことを提案している。
録音録画しよう!とすることで、集中するので練習効果としても大きい。
とは言え、家族や友人に生の演奏をお披露目することも忘れないでほしい。
素晴らしい記録演奏でもLIVEの説得力にはかなわないと思うから。