2021桜


上京して、初めてのピアノのレッスンの時に、

私が弾き終わると先生がレッスン室の窓から見える桜を見ながら

『桜がきれいね。 あなた3段目2小節1拍めのシャープ抜けていたわよ』

と桜から目を離さずにおっしゃった。


私は、自分が間違ったことより、楽譜のレイアウトまで覚えている

先生のプロ意識に唖然としていた。

目は桜を見ていても、楽譜が頭に浮かんでいたのだろう。

年々、桜の開花が早くなっているが、当時は年度初めと同時期で

桜が新年度スタートを応援しているといわれていたが、

真っ直ぐ前だけを見ていた18の春のスタートの背中を押すには

 十分すぎる出来事だった。